- すく
- I
すく【剥く】そぐ。II
「鱈(タラ)を~・いたもの」
すく【助く】⇒ すける(助)IIIすく【好く】(1)ある人に好感をもつ。「誰からも~・かれる人」「私はああいうタイプの人は~・かない」
(2)特定の異性に愛情をいだく。「~・いて~・かれた仲」
(3)ある物・事を気に入る。 このむ。「犬より猫を~・く」「にぎやかなのを~・く」
(4)風流の道に心を寄せる。 情趣を解する。「すぐれて心~・き給へる人にて/平家 1」
(5)色好みである。 多情である。「昔の若人は, さる~・ける物思ひをなむしける/伊勢 40」
(6)ある対象に深く執着する。 熱中する。「大なる屋の~・きたるうちに/著聞 3」「なんぢら, いやしきものの身として, 連歌に~・く事きどくな事ぢや/狂言・連歌十徳」
〔現代語では格助詞「を」をとり, 「…を好く」の形が用いられるが, 室町時代までは「…に好く」の形が一般的であった〕IVすく【梳く】〔「鋤く」と同源〕もつれた毛や糸を櫛(クシ)を通してそろえる。 くしけずる。「髪を~・く」
‖可能‖ すけるVすく【漉く・抄く】〔「鋤く」と同源〕水にとかしたどろどろの原料をすくい上げて薄くひろげ, 乾かして紙や海苔(ノリ)を作る。「紙を~・く」「海苔(ノリ)を~・く」
‖可能‖ すけるVIすく【空く】〔「透(ス)く」と同源〕(1)多数の人の集まる場所に, 人の数が少なくなる。⇔ こむ「雨の日のデパートは~・いている」「この電車は京都で~・くだろう」(2)空腹になる。「腹が~・く」「おなかが~・いた」
(3)(心理的に)つかえていたものがなくなる。「胸が~・く」
(4)(「手がすく」の形で)する仕事がなくなる。 ひまになる。VII「誰か手が~・いたら, こっちを手伝ってくれ」
すく【結く】糸で網を編む。VIII「網を~・く」「あまのたわれを~・く網の/新撰六帖 3」
すく【透く】(1)物と物との間にすき間ができる。「歯の間が~・いている」
(2)物を通して向こうにあるものが見える。「肌が~・いて見える服」
(3)物のすき間を通る。IX「葉蔭を~・きて人顔の見ゆるを/金色夜叉(紅葉)」「かきふせて風の~・く所に臥せたり/宇治拾遺 1」
すく【鋤く】(1)鋤(スキ)・鍬(クワ)などで畑の土を掘り起こす。 たがやす。「田を~・く」
(2)取り除く。X「進んで国家の奸を~・き/自由太刀余波鋭鋒(逍遥)」
すく【食く】くう。 口に入れる。「我, 道にして~・かむが為に, 糒(ホシイイ)すこしあり/今昔20」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.